[メーヤウ]

 

<店の概要>

早稲田大学の近くにある、タイ風カレーの店。1999年に、文学部キャンパスのそばに移転。「メーヤウ」とは、タイに有る小さな村の名前らしい。早稲田周辺には多くの飲食店があるが、ここほど行列がつづく店も少ない。中でバイトしている人は早稲田大学「バンザイ同盟」というサークルの人々で、入学試験合格発表日の風物詩である。

午前中に行くとカレーにラッシー(インドのヨーグルトドリンク)がつき、昼休み明けくらいに行くとサービスタイムで指定のカレーが安くなる。どのカレーもむやみに辛いのが特徴。

 

<カレーについて>

辛い。とにかく辛い。この店のレギュラーメニューは、タイ風レッドカレー、インド風ポークカレー、インド風チキンカレーと、タイ風を名乗っている割にはやけにインドっぽいのだが、他にもう1種類週替わりのメニュー(大体がタイ風)がある。それぞれのカレーには辛さの段階別に★印がついており、5段階なのだが、★一つと言うメニューは存在しない為、実質は4段階であり、さらに★5つは週代わりメニューの中に一つあるだけなので、実際は★★〜★★★★の3段階の辛さ設定に近い。

だからといって★が2つだと辛くないのかと言うと、実は全然そんな事はなく、すでに★★の段階で他のカレー屋ではお目にかかれないような尋常じゃ無い辛さである。なお、レギュラーメニューは★★★と★★★★しかないので、運が悪いと店に入った時点で★★★以上のカレーしか選択できない状況に陥る。

では、なぜこんなむやみに辛いカレー屋に人が集まるのか。早稲田大学にははそんなに我慢大会が多いのか。それとも、早稲田伝統の比類無きチャレンジ精神の現われなのか。別にそんな事は無い。

悔しい事に、ここのカレー、うまいのだ。早稲田界隈にはカレーを食わせる店などはいて捨てるほど有るし、カレー専門店っぽい店も多いのだが、恐らく味のレベルから言うとメーヤウに勝てる店は無い。何種類かのカレーがあるが、どれを取ってもはずれは無い。さすがは行列のできる店と言えるが、ここのカレーを美味しく食べる為にはそれなりに辛さに耐性が無ければならない。そのあたり、「客を選ぶ店」という気もする。

 

<激辛道>

ここのカレーはどんなものを注文しても標準をはるかに上回る強力な辛さなのだが、4週間に一度、週代わりメニューとして★★★★★の称号を得た悪魔のようなカレーが登場する。ただでさえ辛いインド風チキンカレーを強化し、どちらかというとポークカレーに雰囲気を似せた、「インド風激辛チキンカレー」。唐辛子が浮いてるんじゃないかと言う不安さえ抱かせるその不自然な赤さは、とりあえずしょっぱなから見るものを恐怖のどん底に叩き落す。

さすがにメーヤウの最激辛カレーともあって、並のレベルではない。その辺の店で「一番辛いカレー」とか言ってもまずこの辛さにはならない。

ただ、その辺の店じゃなければ出てきてもおかしくはない辛さとも言える。ある程度激辛道を歩んできた人間であれば、それほど苦労はしないはずだ。というわけで、今では俺も激辛チキンカレーを美味しく食べられる境地にきている。慣れれば、やっぱり美味しいのだ。メーヤウのカレーは。

 

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