第1章 出発 TOPへ  第3章 モスクワ クレムリン

第2章 モスクワ 赤の広場

今日は首都モスクワを巡る。実はモスクワを回るのは今日一日だけなんだが、個人的には一応モスクワメインなワケでして。。

まずは立派なホテルで立派な朝食を。
さすが高級ホテル。朝食バイキングも豪華だ。
ものすごく愛想の悪い超美人のお姉さんがオムレツを焼いてくれたり、ドリンクコーナーにはシャンパンが置いてあったり、あり得ない種類のハムやらローストビーフやらが並んでいたりする。

まぁ、こんだけ豪華な朝食は最初のホテルだけだったんだが。。

1.赤の広場

9時にロビー集合。全体的にこのツアーは時間に余裕がある。
本日の予定はモスクワ市内観光。やっぱり朝は寒い。。まだ9月なのに最高気温は8℃ですってよ!

バスに27人乗り込み、いざ出発。
最初に向かったのはかの有名な「赤の広場」だ。

モスクワの中心・クレムリンの入り口にあるこの広場。
確かにそびえ立つクレムリンの城壁は赤いのだが、さりとて広場が赤一色というわけでもない。
この名前はロシア語の「赤」Красная(クラースナヤ)が昔「美しい」を意味していたことに由来する。
つまり「赤の広場」の本来の意味は「美しい広場というわけだ。

▲73000平方メートルに及ぶだだっ広い赤の広場で、かつてのソ連共産党の式典が行われていた場所だ。


クレムリンの脇には、防腐処置を施したレーニンの遺体が眠るレーニン廟がある。ここも時間的都合で中が見れなくて非常に残念だった。
共産主義では宗教は否定されていたのだが、レーニンだけは神格化されていたらしい。レーニンのミイラ化を提唱したのはスターリンだそうだ。
最近このレーニンの死体を埋葬するかどうかで揉めているようだ。


▲赤の広場のハイライト、聖ワシリー寺院


赤の広場でひときわ目立つのは、何と言っても聖ワシリー聖堂だろう。ロシアといえばこの建築物、というインパクトがある。最近カップヌードルのCMに出ていたような。
テトリスのオープニング画面で見かけたような気がする。あの大ヒットゲーム、テトリスはロシア人が作ったものなのだ。

雷帝と呼ばれたロマノフ朝の皇帝イヴァン4世が、カザン=ハンを倒した記念に建てさせたものなのだが、ちょっと恐ろしい逸話が残っている。完成した美しい聖堂を見た雷帝は、二度と同じものを作れないようにと設計者の目をくりぬいたというのだ。
ちなみにワシリーというのはイヴァン雷帝に影響を与えた修道士の名前らしい。

これ、絵に描いてみるとわかるのだが左右対称とかそういったものは一切考えられていない。パルテノン神殿にしてもタージ・マハルにしてもアンコール・ワットにしても、およそ世界に名だたる美しい建造物は左右対称をもってよしとされているものだが、この聖堂は全然そんなことはなくて色とりどりのタマネギ頭がひょこひょこ伸びている。でも見とれるほどきれいなのは不思議だ。なお、実際はそれぞれのタマネギが小さな寺院に分れているらしい。

ロシアにはこんな感じのタマネギ頭の寺院がたくさんある。どちらかというとイスラム系のデザインに近いので、その影響を受けているんだろう。俺にはどれもこれもドラクエに出てくるスライムに見えるのだが。

あと、赤の広場の隣にグム百貨店というのがあるのだが、中に何が売っているのかは不明。どうやらブランド物の店がたくさん入っているらしい。




2.壺焼き

赤の広場を離れ、モスクワ川からクレムリンを臨んだ後、モスクワを一望できる雀が丘(ヴィラビョーヴィ丘)へ。
かつて「レーニン丘」と呼ばれたモスクワで一番高いこの丘にはオリンピックのジャンプ台が残っているほか、モスクワ大学の新校舎がある。ロシア最大の総合大学で、曰くここだけはコネでも入れない、とか。そういうとガイドのマリーナさんはモスクワ大出身だと言っていた。エリートなんですね。


▲モスクワ大学


この雀が丘も例外ではなく、観光スポットにはたいていマトリョーシカが大量に売られている

マトリョーシカというのはロシアの民芸品で、家族を表しているらしい。「マトリョーナ」という女の子の名前から来ている、ロシア娘をかたどった人形だ。
人形の中に人形、またその中に…と続いていき、大きな物だと中に数十個も入っている。値段もピンからキリまで様々で、中には10万円ぐらいする物もある

▲ずらり並んだマトリョーシカ



変わりものとしては歴代ロシア大統領やアメリカ大統領をかたどった物や、ハリーポッターのキャラクターが描かれた物などバリエーションも豊富だ。

面白かったのは歴代ロシアのボスで、プーチン→エリツィン→ゴルバチョフ→ブレジネフ→フルシチョフ→スターリン→レーニン→ニコライ2世と続くマトリョーシカ。
ロシア→ソ連→ロマノフ王朝とつながる、8段重ねだ。
絵は手描きがほとんどで、言われてみれば確かに似てるかな…という気もするが、せいぜい俺にわかるのはゴルビーまでだ。

ちなみにこのマトリョーシカ、原型は日本のだるま…らしい。本当か?

チャイコフスキーが「白鳥の湖」をインスパイアされたという湖からノヴォデビッチ修道院を臨んだ後、ガイドに連れられておみやげタイム。ウォッカを只で飲んだりした。あと、マトリョーシカとキャビアを一瓶購入。

キャビアはやっぱり本家のロシアでも高級品で、市場やスーパーなんかでも目にする機会はあったが気軽に買える代物ではない。それでも日本で買うよりは安いんだろうが。。

「世界三大珍味」のキャビアはチョウザメの卵なんだが、チョウザメの種類によってキャビアのグレードは三段階に分かれる。
粒の大きい物ほど高級とされ、

最高級のベルーガ●青
中クラスのオシュトラ●黄色
一番安いセブルーガ●赤

とランクダウンしていく。これはフタの色で見分けるのだが、この分け方はどうも世界共通らしい。

ちなみにイクラもよく売っている。イクラというのは元々「魚の卵」を意味するロシア語で、キャビアもロシアでは「チョールナヤ・イクラ」という。
日本でイクラと呼んでいる鮭の卵は「クラスナヤ・イクラ」だ。


土産タイムの後は昼食。
お昼のメニューはロシア名物の壺焼きだ。
何だか味の付いてないトマトとキュウリのサラダと、薄味のポタージュスープ、薄味のメインの壺焼きが出てきた。

どうも「壺焼き」という料理と言うよりは、壺で焼くことが一つの調理法として成り立ってるみたいだ。
俺は中にシチューっぽい物が入ってるんだと思ったんだが、これは鶏肉と野菜を塩味で煮たポトフ(やっぱり薄味)みたいなものが入っていた。


ナイフとフォークで壺のフタののパイを切って食べていたのだが、どうやら本場ではこういう食べ方はしないらしい。
フタは取り外して、中身はお皿にあけるのが正式なんだと。でもこれを聞いたのはかなり後の話。

デザートはチーズケーキ風ババロア。これは普通においしかったかな。

ところでロシアでは必ずと言っていいほど、「黒パン」が出てくる。



ライ麦なんかを発酵させて作るパンで、ちょっと酸っぱいのが特徴。好みが分かれるところだが、美味しいやつは美味しい。店によってずいぶん味が違う。


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